昨年後半、友人に声をかけてもらい、“お茶ツーリズム”のしくみづくりをお手伝いし始めました。静岡の、静岡茶のファンを増やすために、静岡茶の背景となる風土、人、技術や伝統など、茶づくりの文化を知ってもらえるようなツアープログラムと受け入れ体制を研究中です。
本山茶(ほんやまちゃ)というのは、静岡茶の中でも静岡市中部の山間地、安倍川(あべかわ)と支流の藁科川(わらしながわ)の流域でつくられるお茶の総称。静岡県では最も古い歴史があります。
その産地の中でも足久保(あしくぼ)は、静岡茶の祖、聖一国師(しょういちこくし)が中国から持ち帰った茶の種を初めて蒔いた、静岡茶発祥の地として伝わります。
春から初夏にかけて、足久保の口長島という地区に何度かお邪魔しました。急峻な山肌に整列する茶畑の景観、木造の茶工場のたたずまい、茶葉を蒸す熱気とあまく爽やかなお茶の香り。誇り高き茶農家さんにも何人もお会いしました。
この時期の足久保は、緑茶一色の世界。新幹線駅から30分程度で訪ねられる秘境とでもいいましょうか。
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