新茶シーズン到来!
静岡茶発祥の地で茶農家入門:手摘み手伝い 2010.4.25
「日本一の茶どころ静岡で、お茶を知る旅、ふれる旅」シリーズ第5弾。遂に、オンシーズンの茶づくり現場にお邪魔しました。多分、お邪魔?気分は“手伝い”です。
注:「手伝い」は、足久保あたりでは「てんだい」と言います。

心配しました、今年のお茶
「今年は去年より早い」という予測のもと、4月25日をツアー実施日と決めました。
ところが、3月30日朝の急激な冷え込みで、静岡県全域の茶園が大なり小なりダメージを受けました。足久保でも、新芽の生育に遅れが。4月に入っても不安定なお天気にヤキモキしましたが、摘み取りする茶園を変更し、なんとか“手摘みてんだいツアー”が実現しました。
参加の皆さんでバッチリ手伝って、足久保を元気づけよう!(オーッ!)
本気の茶摘み2時間半
すでに作業を始めていた地元農家のお母さん方に合流し、早速、摘み取り開始。初めての人も多く、摘み方を伝授してもらいながらの挑戦です。
説明されてわかった気になりますが、摘み取る葉の大きさを迷ったり、次々目移りしてムラに摘んでしまったり、なかなか畝の先へと進めません。
あげくの果てに、ベテランさんの速さと正確さに気圧されて、畝の外へと退散。
お茶とお菓子でいっぷく後、再び作業。徐々に目も手も慣れてきた参加者の皆さん、黙々と茶葉を摘み取ります。山のすがすがしい空気のなか、鮮やかな茶の芽の緑を見て、プチップチッと細い茎が折れる音を聞いて。
「ありがとうございます、予定量摘めました!」。園主の武田さんの声。
「あれっ、もう終わりなの?」と、いつの間にやら茶摘みに入りこんでいた皆さんからは、作業終了を惜しむ声も聞かれました。
あったかで美味しい心遣い
昼食は、JA女性部の地産地消のお弁当を茶畑で。
足久保のお母さんたちからは、「お茶時期はお構いできないよー」と言われていたのですが、なんの!竹皮のお皿に茶葉やタケノコのてんぷら、フキの煮つけに自家野菜の一夜漬け。お味噌汁も用意してくれました。ありがとう!
↑ 屋根の上あたりに見える昼食場所
私たちの茶葉が刻々と変化
午前中に摘んだ60kg以上の茶葉が、いよいよ最初の工程「蒸し」に入ります。ほんの数十秒、このタイミングが荒茶の出来を決めるのだそう。シュワーッと高く上る湯気、蒸しあがりの葉っぱは、より鮮やかな緑です。
今回は、とにかく荒茶づくりの工程をしっかり見る。「粗揉(そじゅう)」、「揉捻(じゅうねん)」、「中揉(ちゅうじゅう)」と、工程が進むごとに葉っぱを取り出し、香り、色、手触りなどを確認しました。平たい葉っぱが少しずつ細く、鮮やかな色は徐々に緑濃く、ぺちょっとした葉から少しずつ水分が抜けて。
この変化を、後ほど飲み比べましょう!
茶刈り作業のウラ話
茶刈機ラインアップを前に、興味深い話がポンポンと。茶刈機と茶畑の形の関係や、茶刈機の値段。一番おもしろかったのは、茶刈りと夫婦の関係!二人が茶樹を挟み、息を合わせての作業。機械の刃を水平に保ちながら長い距離移動します。
「この時期だけは女房を怒らせないようにするよ」。お茶時期の茶産地は、地域一体、夫婦円満です。
もちろん、人気スポット「日本のマチュピチュ・棚田茶園」も満喫。
こんな飲み比べ、他にない!
先ほど見学した、それぞれの製造工程のお茶っぱを飲み比べです。
茶碗に工程別に茶葉を入れ、茶師さんがする「鑑定」を真似て、熱湯を注いで水色や香りの出方、味を確かめました。
「粗揉はまだ葉っぱって感じだね」、「中揉までくるとだいぶお茶らしいよ」。工程ごとの変化を楽しみながら、後日送られてくる完成品に思いを馳せました。
もちろん、手づくりスイーツも!
荒茶はツアー1週間後に参加者の皆さんのお手元に。秋にも熟成茶をお届けします。
お茶を飲みながら、足久保の自然や人を何度も思い出してくださいね!

参加者12名 ありがとうございました!
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